次亜塩素酸水を選ぶ際に重要な液性(pH)と濃度(ppm)について解説
次亜塩素酸水は色々なメーカーから販売されていますが、ほとんどの商品にpHとppmという単位で数値が記載されています。
次亜塩素酸水の購入を検討している方の中には、「これは何の単位なの?」と感じている方もいらっしゃるかと思います。
pHとppmは「次亜塩素酸水が何性の溶液なのか」と「塩素の濃度がどのくらいなのか」を表している単位で、品質と安全性を伝えるために表記されています。
なお、商品ごとにpHとppmは異なるため、次亜塩素酸水を選ぶ時には、この2つの値がとても重要です。
そこで、今回はpHとppmが何を表しているのか、次亜塩素酸水を選ぶときはどんな液性・濃度のものを選ぶと良いかなどを詳しく解説します。
また、記事の後半では介護施設やフィットネスジム等に導入されている次亜塩素酸水であるノロックスについても取り上げています。
ぜひ、最後までチェックしてみてください。
目次[非表示]
- 1.pH(ピーエッチ/ペーハー)は溶液の液性を表す単位
- 1.1.酸性の溶液の特徴
- 1.2.中性の溶液の特徴
- 1.3.アルカリ性の溶液の特徴
- 2.次亜塩素酸水の液性は?
- 2.1.アルカリ性の溶液とは併用しない
- 2.2.次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なる
- 3.ppm(ピーピーエム)は濃度を表す単位
- 4.次亜塩素酸水のppmは何を表しているか
- 5.ppm(濃度)で選ぶ次亜塩素酸水
- 5.1. 200ppmの次亜塩素酸水が適している場合
- 5.2. 100ppmの次亜塩素酸水が適している場合
- 5.3. 50ppmの次亜塩素酸水が適している場合
- 6.pHとppmから分かるノロックス
- 6.1.ノロックスのpH(液性)
- 6.2.ノロックスのppm(塩素濃度)
- 7.ノロックスは商品が豊富
pH(ピーエッチ/ペーハー)は溶液の液性を表す単位
pHとは、「potential of hydrogen」の略で、水素イオン濃度指数または、水素指数とも呼ばれています。
「何性の溶液なのか(=液性)」を表す単位の1つで、0から14までの数値で表記されます。
液性は大きく分けて、酸性・アルカリ性・中性の3つに分けることができます。
ただ、以下の図のように、同じ液性でも数値によってさらに細かく分けられるので、それぞれ詳しく解説します。
酸性の溶液の特徴
酸性の溶液とは、pHが6.0以下の溶液のことを指しています。
代表的なものとして、塩酸 ・硫酸・硝酸・炭酸・酢酸・クエン酸などがあり、どれも最後に「酸」がつくので、比較的酸性であると判断しやすいものが多いです。
ただし、中には水酸化ナトリウム水溶液のように「酸」とついていても酸性ではないものもあります。(水酸化ナトリウム水溶液はアルカリ性です。)
他に、特徴としては以下のことが挙げられます。
- 水素イオン(H+)を含む
- 鉄やマグネシウムなどの金属と反応すると水素を発生させる
- 口に含むと酸っぱさを感じる(レモン汁や酢など)
※なお、酸性の溶液の中には硫酸や塩酸など触れると危険なものがあります。
また、pH値によって呼び方が異なるのも特徴の1つです。
例えば、塩酸や硫酸など酸性の中でもpHが小さい酸(pH3.0未満)を「強酸性」と呼びます。
それに対して、中性に近くpHが大きい酸(3.0〜6.0)を「弱酸性」と呼びます。健康な人の肌や血液はこの弱酸性に当てはまります。
他にも身近な弱酸性の溶液としては、ビール・日本酒・焼酎・炭酸飲料・煎茶・コーヒー・紅茶・ミネラルウォーターなど私たちが普段口にする飲み物が挙げられます。
中性の溶液の特徴
中性の溶液とは、pHが6.0〜8.0の溶液のことを指しており、代表的な水溶液に、純水・水道水・食塩水などがあります。
中性の溶液の特徴としては主に以下のことが挙げられます。
- 酸性でもアルカリ性でもない溶液(水素イオンも水酸化イオンも含まないため)
なお、余談ですが、化学の用語に「中和」という言葉があります。
中和とは、酸性とアルカリ性の液体が混ざることでそれぞれの特性が失われることを指しますが、中和反応が起きたからといって必ずしも液性が中性に変化するわけではありません。中和反応が起きても、最終的に水素イオンや水酸化イオンが残れば中性以外の液性となります。
アルカリ性の溶液の特徴
アルカリ性の溶液とは、pHが8.0以上の溶液のことを指しています。
代表的な水溶液にアンモニア水・水酸化ナトリウム水溶液・水酸化カリウム水溶液・水酸化バリウム水溶液などがあります。身近なものとしては塩素系漂白剤も挙げられます。
その他の特徴としては以下のことが挙げられます。
- 水酸化イオン(OH-)を含む
- 酸と反応して酸の性質をうち消す
- にがみ、しぶみがある
※なお、アンモニア水や塩素系漂白剤など酸性の溶液と同様に触れると危険なものがあります。
また、アルカリ性も数値によって呼び方が異なります。
せっけん水やハンドソープなどアルカリ性の中でも中性に近く、pHが小さい(pH8.0〜11)ものを「弱アルカリ性」、塩素系漂白剤などpHが大きい(pH11以上)ものを「強アルカリ性」と呼びます。
次亜塩素酸水の液性は?
次亜塩素酸水の液性は大きく分けると酸性の溶液に分類されます。
商品によって細かいpHは異なるものの、液性が弱酸性の時に主成分である次亜塩素酸が多く含まれるため、弱酸性の商品が多い傾向にあります。
アルカリ性の溶液とは併用しない
なお、先述したように酸性の溶液はアルカリ性の溶液と混ざると、互いの性質が打ち消されてしまいます。
よって、次亜塩素酸水をアルカリ性の溶液と一緒に使ってしまうと、除菌・消臭効果などがなくなってしまうので、お掃除やお手入れ等に使う場合は注意しましょう。
次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水は異なる
次亜塩素酸水と名前が似ているものに、次亜塩素酸ナトリウムというものがあります。
とても混同しやすいですが、両者は全く異なるものです。
どちらも除菌に使われるものですが、次亜塩素酸水は弱酸性であるのに対して、次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリ性です。
よって、次亜塩素酸水と同じように扱ってしまうと大変危険です。
次亜塩素酸ナトリウムが皮膚に付くとやけどのような症状になってしまいますし、金属に付着すると腐食してしまいます。
また、次亜塩素酸ナトリウムを水で希釈すると次亜塩素酸水になると勘違いされる方もいらっしゃいます。次亜塩素酸ナトリウムを希釈しても次亜塩素酸水にはならないので、誤った使い方をしないようにしましょう。
ppm(ピーピーエム)は濃度を表す単位
ppmとは、「parts per million」の頭文字をとったもので、100万分のいくらであるかという割合を示すparts-per表記による単位です。
parts-per表記とは、小さい数値を表すのに使用される単位の総称で、ppm以外には10億分の1を表すppbや1兆分の1を表すpptなどがあります。
100万分の1を表しているppmはパーセントになおすと、1ppm=0.0001%であり、10,000ppm=1%です。主にとても小さな濃度を表すために用いられます。
どのくらい小さい単位なのか理解しやすくするため、水を使って説明します。
水1L=1kg=1,000gとして、これをさらに1,000分の1、つまりm(ミリ)の単位に換算すると、1,000,000mg(ミリグラム)になり1ppm=1mgとして表現されます。
ちなみに、1mgは塩10粒分の重さしかなく、とても小さくて細かいのが想像できるかと思います。
次亜塩素酸水のppmは何を表しているか
結論からお伝えすると、次亜塩素酸水のppmは有効な次亜塩素酸の濃度を表しています。
塩素という単語が入っているので不安に思うかもしれませんが、塩素は私たちの身近でも使われています。
例として挙げられるのが、水道水です。
水道水には、安心でおいしい水道水をつくる過程の1つとして「塩素(水道用次亜塩素酸ナトリウム、液体塩素)」が使われています。東京都水道局によると、以下のように安心していただける取り組みを行っているそうです。
水道水は、衛生面から塩素による消毒を行い、蛇口での残留塩素濃度を0.1mg/L以上保持することが水道法で定められております。東京都水道局では「おいしさに関する水質目標」を独自に定め、残留塩素濃度を必要最低限の0.1mg/L以上0.4mg/L以下としています。この目標を達成するため、都内131箇所の自動水質計器により日々の水質をチェックし、残留塩素の適正な管理を実施しています。
引用:東京都水道局よくある質問(https://www.waterworks.metro.tokyo.jp/faq/qa-13.html#17)
ちなみに、水道水の塩素量を重さで考えると塩1~4粒ほどの重さの残留塩素が1Lあたりの東京都の水道水に含まれています。
このように、水道水に含まれる残留塩素の量はごくわずかであり、摂取しても人体への悪影響はないと言われています。
では、次亜塩素酸水にはどのくらいの塩素が使われているのでしょうか。
上記で解説した1ppm=1mgの計算を次亜塩素酸水に当てはめて計算してみましょう。
例えば塩素濃度200ppmの次亜塩素酸水は、200mg(0.0002%)の次亜塩素酸が含まれているということになります。
なお、モノに対する除菌・消臭に使用するのであれば少なくとも100ppmは必要とされています。
ちなみに、お米ひと粒の重さは約20mgと言われているので、重さに置き換えると、200ppmの次亜塩素酸水にはお米10粒分の重さの次亜塩素酸が含まれていると考えられます。
ppm(濃度)で選ぶ次亜塩素酸水
次亜塩素酸水は使用用途によって適した濃度というものがあります。
よって、適切な濃度の次亜塩素酸水を購入していただくか、ご自身で希釈する必要があります。
ここでは濃度ごとに、適した使い方を解説します。
200ppmの次亜塩素酸水が適している場合
200ppmは、強い菌や臭いの対策をしたい時に活用します。
例えば、以下のような場合は200ppmの次亜塩素酸水がぴったりです。
●生ゴミやおむつを捨てるゴミ箱の消臭
生ゴミや使用済みのおむつは臭いが強く、蓋を閉めても臭いが漏れてしまうことがあります。200ppmの次亜塩素酸水を吹きかければゴミ箱から漏れる臭いを防ぐことができます。
●排水溝の除菌・消臭
キッチンやお風呂場などの排水溝は汚れも多く、臭いも強いです。
また、雑菌も発生しやすいため、日常的なお掃除や除菌・消臭対策の際に次亜塩素酸水を使うのであれば200ppmのものがおすすめです。
●吐しゃ物の処理
吐しゃ物は臭いがきついだけでなく、アルコールでは除菌できないような菌が含まれていることもあります。
よって、次亜塩素酸水を使って吐しゃ物を処理して除菌する際は200ppmのものを使用しましょう。
100ppmの次亜塩素酸水が適している場合
次亜塩素酸水は低い濃度でも効果を十分に発揮するため、よほど強い臭いや菌への対策をしたいという場合でなければ100ppmで問題ありません。
例えば、100ppmの次亜塩素酸水は以下のような時に適しています。
●人が多く触れる部分の除菌
テーブル・ドアノブ・手すりなど、人が多く触れる所に付着した菌は、100ppmの次亜塩素酸水で除菌できます。
●ソファや布団、カーテンの消臭
洗濯機で洗えない布製品の消臭にも100ppmの次亜塩素酸水はおすすめです。
ソファやクッション、カーテンや布団などについたタバコの臭いや体臭などを消臭できます。
●トイレの消臭
尿に含まれるアンモニアが壁や床、便器に付着したままになっていると、嫌な臭いが発生してしまうことがあります。
トイレの消臭をしたい時は100ppmの次亜塩素酸水をスプレーしたり、専用の機器で噴霧したりするのもおすすめです。
50ppmの次亜塩素酸水が適している場合
赤ちゃんやペットがいる環境で次亜塩素酸水を使うという場合は、濃度が高いと影響が出てしまうのか不安ですよね。基本的に次亜塩素酸水は赤ちゃんやペットがいても安心してお使いいただけますが、不安な場合は50ppmがおすすめです。
50ppmの次亜塩素酸水は以下のように使うことができます。
●赤ちゃんのおもちゃやぬいぐるみの除菌・消臭
赤ちゃんはなんでも口にくわえてしまうため、おもちゃやぬいぐるみは唾液で汚れやすく、菌の温床となってしまいやすいです。また、唾液によって嫌な臭いが発生してしまうこともあります。次亜塩素酸水を使えば洗濯機で洗えないおもちゃやぬいぐるみの除菌・消臭が可能です。
●ペット用品の除菌
ペットは少量でもアルコールを体内に取り入れてしまうと急性アルコール中毒を起こす恐れがあります。よって、アルコールでペット用品を除菌するのにはリスクがあります。
しかし、次亜塩素酸水であれば万が一ペットが舐めてしまってもあんしん・安全なので、おすすめです。
pHとppmから分かるノロックス
ここまで学んだことを踏まえてノロックス(次亜塩素酸水)の「pH」と「ppm」を見ていきましょう。
ノロックスの液剤について
使用用途 |
除菌・消臭 |
成分 |
次亜塩素酸水 |
原料 |
水・次亜塩素酸ナトリウム・希塩酸 |
製造方法 |
上記原料の混和 |
液性 |
pH5.8〜6.2(弱酸性) |
塩素濃度 |
200ppm(出荷時) |
保管方法 |
直射日光を避け、冷暗所保管 |
使用期限 |
◯未開封時の状態で製造後1年間となります。 ◯次亜塩素酸は徐々に分解され、効果が薄れていきます。 ◯水道水で薄めたノロックスは早めの使用をお願いします。 |
ノロックスのpH(液性)
まずは、pH値についてです。
グラフの曲線上部が、次亜塩素酸の存在比率が高くなる数値です。
次亜塩素酸の存在比率が高い=次亜塩素酸水の効果が最も発揮される数値ということですので、ノロックスは次亜塩素酸の存在比率が最も高くなるようpHが5.8〜6.2の弱酸性となるように液剤が調整されています。
また、効果が高いのはもちろんですが、人間の健康な肌はpH4.5〜6.0の弱酸性と言われており、あんしん・安全にお使いいただけるよう、人の肌とほぼ同じ弱酸性のpH値にするためにpHが5.8〜6.2となっています。
ノロックスのppm(塩素濃度)
次に、ppmについてです。
次亜塩素酸水は低い濃度でも効果を十分に発揮するという特徴があり、濃度の高すぎる次亜塩素酸水は希釈する手間も増えて、使い勝手がとっても悪くなってしまいやすいです。
よって、ノロックスは出荷時に200ppmあるいは100ppmになるよう調整されています。
普段の除菌・消臭対策だけでなく、吐しゃ物の処理等にも使用したい場合は200ppm、日常的に使用いただくだけなら100ppmがおすすめです。
このように用途に合わせて適した濃度の商品をご購入いただくことが可能です。
ノロックスは商品が豊富
ここまで、pHとppmという観点でノロックスをご紹介してきましたが、最後におすすめの商品をいくつかご紹介します。
まず、日常的な除菌・消臭にノロックスを使いたいという方には、「パウチスプレーセット(100ppm)」がおすすめです。
こちらは3種類のボトルがセットになっており用途に合わせてボトルが選べる上、液剤が100ppmなので希釈せずにそのまま使える手軽さがあります。
日常的に使うだけでなく強い菌や臭いの対策にも使用したいという場合は、「パウチスプレーセット(200ppm)」が良いです。
専用の噴霧器でノロックスを使用したい場合は、「ノロックス フレアソルスターターセット(パウチ4本)」がおすすめです。
専用の噴霧器がセットとなっているので、届いたその日から使い始めることができます。
【ノロックス フレアソルスターターセット(パウチ4本)の詳細はこちら】
ノロックスはこの他にも、詰め替え用の補充液や液剤20Lのボックスなどもご用意しております。
ぜひ、ノロックスが気になる方は商品一覧のページをチェックしてみてください。